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DIYによる屋根のメンテナンスをおすすめできない理由をご紹介します‼


1.屋根の上は皆さんが考えている以上に危険


2021年の建設業の墜落・転落による事故は、4,869件でした。これは、建設業で発生した労災の件数全体の約3分の1に相当します。また、死亡事故の件数は95件で、墜落・転落が原因の死亡事故は全産業に占める割合の37%を占めています。

この数字を見ると、建設業における墜落・転落による事故の多さ、そしてその危険性がよく分かります。

屋根のメンテナンスも、建設業における高所での作業の一種です。屋根は、通常の道路よりも高い位置にあり、足場の条件も劣悪なことが多いため、転落のリスクは非常に高くなります。

屋根の専門業者は、このような危険性を熟知しており、適切な安全対策を講じた上で作業を行っています。しかし、DIYでは、このような安全対策を講じることが難しいため、転落のリスクを高めてしまいます。

また、屋根のメンテナンスは、専門知識や技術が必要となる作業です。DIYでは、このような知識や技術が不足しているため、作業を誤って行う可能性があり、思わぬ事故につながることもあります。

以上の理由から、屋根の専門業者として、DIYによる屋根メンテナンスをおすすめすることができない理由です。

屋根のメンテナンスを安全に行うためには、専門業者に依頼することを

おすすめします。



2.1階の屋根でも十分に危険


1階の屋根は、一般的に高さが2m程度です。この高さは、それほど高くないと思われがちですが、実際には転落による死亡事故が発生しています。

平成30年には、高さ約2mの自宅の1階屋根に上り、塗装を行っていた住人が誤って転落して死亡した事故が発生しています。また、雪国などでは、冬場の雪下ろしを住人自らが行うのですが、雪下ろしの最中に転落し、死亡したという事故のうち、なんと60%は1階部分の屋根からの転落だとされています。

このように、1階の屋根からの転落は、死亡事故につながる危険性があると言えます。


厚生労働省が定めた労働安全衛生規則では、高さが2m以上の箇所での作業で墜落の危険がある場合は、足場を設置するなどの措置を講じなければならないとされています。

この条文から分かるように、厚生労働省は、2mの高さは人間にとって危険と判断しています。



3.他にもオススメできない理由があります!

(1)一般の方には材料選びが難しい

シーリング材は、屋根のメンテナンスにおいて重要な役割を果たす材料ですが、種類によって性能や適した用途が異なることを理解しておくことが大切です。

特に、DIYで屋根のメンテナンスをする場合は、適切なシーリング材を選ぶことが重要です。間違ったシーリング材を使用してしまうことで、雨漏りや錆などのトラブルを引き起こす可能性があります。

また、シーリング材は、1液型と2液型の2種類があります。1液型は、混ぜて使用する手間がなく、すぐに使用できるのがメリットですが、2液型に比べて耐久性や密着性が劣ります。2液型は、1液型よりも耐久性や密着性に優れているのがメリットですが、混ぜて使用する手間がかかります。

このシーリング材に関しては、どれも同じ性能でなく、「どこにシーリングを打つのか?」によって最適なシーリング材を選ばなければならないのです。ちなみに、変質シリコンに関しては、どこにでも使用できる万能性があるのですが、シーリングを打つ場所によっては、変質シリコンよりも優れた性能を発揮するものが存在します。

屋根の専門業者がメンテナンスを行う場合、施工場所によって最高の性能を発揮する材料を選んでくれますが、DIYで作業を行うのであれば、自分で調べて最適な材料を用意しなければならなくなります。最適ではない材料を使用すると、本来の耐用年数よりも早くダメになりますし、使い切れなかったシーリング材については使用期限がありますので、使い切れないうちに廃棄することになるケースが多いです。

つまり、DIYによる作業は、業者に依頼するよりも安価だからという点がメリットになるはずなのに、最適な材料を探す時間や、材料を余らせてしまう、間違った場合は想定よりも早くダメになるなど、結局そこまでコストを削減できなくなってしまうのです。時間的、コスト的にも無駄が多くなりますので、正直、最初から専門業者に依頼している方が長期的に見るとコスト安になっているケースが多いようです。


(2)間違った施工を行ってしまう

屋根のメンテナンスに関する知識が全くない人であれば、Youtubeなどの動画サイトで紹介されている手法であれば、全て正しいと考えてしまっているのではないでしょうか。誰でも見ることができる公開の場所で発信されている情報ですし、「間違った情報を流すわけがない!」と信頼感を持ってしまっている方は多いです。

そして、Youtubeなどで発信されている情報の中には間違ったDIY例も少なくありません。例えば、台風対策として屋根材をシーリング材で固定する方法が紹介されているケースがありますが、この方法は、屋根材の固定力は高まりますが、雨漏りの原因になる可能性があるという点に注意が必要です。

屋根は、複雑な構造をしており、それぞれの部材が適切な役割を担うことで屋根としての機能を発揮できる非常に繊細なものです。そのため、良かれと思って行った間違った施工により、屋根の機能が全く果たせなくなってしまう…なんてことも考えられます。一般の方であれば、何が正しくて何が間違っているのか判断できないケースが多いため、少しでも疑問に感じる点があるのであれば、DIYによる作業はおすすめできません。


屋根材は、屋根に落ちる雨水の一次防水を担っているだけで、全ての雨水を屋根面で防いでいるわけではないのです。雨が降った際には、一定量の水が屋根材の下に侵入するのですが、防水シートを施工していることで、屋根材と防水シートの間を流れ排水できる構造になっているのです。

屋根材の隙間を全て塞いでしまうと、屋根材の下に侵入した水が排水できなくなり、以下の問題が発生する可能性があります。

 ①屋根下地が劣化して、雨漏りに繋がる

 ②屋根材の浮きや剥がれを引き起こす

 ③屋根材の耐用年数が短くなる


そのため、屋根材をシーリング材で固定する際には、屋根材の隙間を全て塞がないことが重要です。屋根材の四隅と、屋根材と屋根材のつなぎ目部分にのみシーリングを打つようにしましょう。また、シーリング材は、屋根材の種類や施工方法によって、適した種類や厚みなどが異なります。そのため、シーリング材を選ぶ際には、専門業者に相談することをおすすめします。



4.まとめ

屋根メンテナンスのDIYは、以下の理由からおすすめできません。

 

 ① 屋根の上は危険な場所

 ② DIYはコストが安くなるとは限ない

 ③ DIYは失敗のリスクが高い


特に、屋根の上は、高所作業であり、転落の危険性があります。また、屋根は複雑な構造をしており、専門知識や技術が必要な作業が多いため、DIYで失敗してしまうと、逆に屋根を傷めてしまう恐れがあります。

屋根のメンテナンスは、専門業者に依頼するのが最も安全で確実な方法です。屋根の専門業者であれば、屋根の状態や状況に合わせて、適切なメンテナンス方法を提案してくれるはずです。

また、屋根のメンテナンスには、定期的な点検が重要です。屋根の状態は、気候や環境によって変化するため、定期的に点検を行い、早期に不具合を発見して対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

屋根のメンテナンスは、ご自身の安全と大切な住まいを守るためにも、専門業者に依頼することをおすすめします。

 
 
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