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外壁からの雨漏りはコーキング(シーリング)の劣化が原因!コーキング補修の基礎知識を紹介します。


コーキング補修

コーキングの劣化は、外壁からの雨漏りの大きな原因の一つであるため、注意が必要です。

雨漏りは、屋根の劣化だけでなく、窓や壁の劣化からも発生することがあります。民間調査会社によると、窓や壁からの雨漏りは全体の約3分の1を占めています。外壁は、雨漏りの発生しやすい場所です。その中でも、コーキングの劣化は特に注意すべきポイントです。

そこでこの記事では、外壁や窓枠などに施工されるコーキングについて、意外に知らない人が多い基礎知識や、メンテナンスを行う場合にかかる費用などを解説します。



1.外壁のコーキング(シーリング)とは?


住宅の外壁には、サイディングやALCパネル、タイルなどの外壁材が使用されます。これらの外壁材を貼る際には、材料と材料の間に隙間ができます。その隙間を埋める材料として、コーキングやシーリングが使用されます。


(1)「コーキング」と「シーリング」の違い


コーキングとシーリングは、同じものを指す言葉ですが、業者によって呼び方が異なることがあります。

コーキングは、隙間や穴を埋める目的で使用されるもので、シーリングは、密閉する目的で使用されるものです。

例えば、新築工事で目地の埋め物をする場合は、コーキングと呼ぶことが多いです。一方、防水を目的として目地の埋め物をする場合は、シーリングと呼ぶことが多いです。

リフォーム業者との打ち合わせでは、コーキングとシーリングはどちらの言葉で伝えても構いません。ただし、業者の理解度や認識を合わせるために、同じ呼び方を統一しておくとよいでしょう。


(2)コーキングの目的と寿命


コーキングは、外壁材を施工する際に、目地に充填される材料です。単に見た目だけの問題ではなく、以下のような2つの重要な役割を担っています。


 ① 雨漏り防止

 目地から雨水が侵入してしまうと、室内にしみ込み、壁紙がはがれたり、家具や床が濡  れたりするなどの被害が発生する可能性があります。コーキングは、目地を埋めること  で、雨水の侵入を防ぎます。

 ② ズレの吸収

 外壁材は、日射や風雨、地震などによって、微妙な収縮やズレが生じます。コーキング  は、伸縮性を持っているため、外壁材のズレや収縮を吸収し、建物のバランスを保ちま  す。


コーキングにも寿命があり、一般的に5~10年程度と言われています。コーキングの伸縮性は、外壁材が膨張・伸縮といった動きを繰り返すことで、徐々に衰えていきます。また、日当たりが良い場所(紫外線が多く当たる)や寒暖差が大きい場所なども、コーキングの劣化スピードを速めてしまうと言われています。

コーキングの寿命が近づくと、目地に亀裂やひび割れが生じ、雨漏りが発生しやすくなります。そのため、定期的にコーキングの点検を行い、劣化が見つかった場合は早めに補修を行うようにしましょう。



2.コーキングの劣化症状について


コーキングは、一般的に5~10年程度で劣化が目立ち始めます。以下のような症状が見られたら、コーキングの補修や交換を検討しましょう。

亀裂やひび割れ

 目地に亀裂やひび割れが見られたら、雨水が侵入する可能性があります。

・変色や汚れ

 目地が変色したり、汚れたりしたら、コーキングの性能が低下している可能性がありま  す。

・剥離や浮き上がり

 目地が剥離したり、浮き上がったりしたら、コーキングが完全に劣化している可能性が  あります。


(1)コーキングのひび割れ・破断


コーキングのひび

 ① コーキングの劣化によるひび割れ

コーキングは、経年劣化によって柔軟性が失われ、表面にひび割れが生じます。ひび 割れは、最初は細かいもので目立ちませんが、放置すると広がり、深く割れ、さらには 真ん中で切れてしまうこともあります。


 ② ひび割れを放置すると

ひび割れを放置すると、雨水や風が侵入し、雨漏りなどのトラブルを引き起こす可能 性があります。また、ひび割れが広がると、外壁の耐久性も低下します。

③ ひび割れを見つけたら

コーキングにひび割れを見つけたら、早めに補修を行うことをおすすめします。

補修は、専門の業者に依頼するのが安心です。


(2)コーキングの肉やせ・剥がれ(剥離)


コーキングは、経年劣化によって弾性が失われ、細くなっていきます。この現象を「肉やせ」といいます。肉やせが進むと、コーキングと外壁材の間に隙間が生じてしまいます。

さらに、この状態を放置すると、コーキングが外壁材から剥がれ落ちてしまう「剥離」が起こります。剥離が起こると、コーキングと外壁材の間に隙間が大きくなり、雨水や風が侵入しやすくなります。

肉やせや剥離を放置すると、雨水や風が侵入して、雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。また、肉やせや剥離が広がると、外壁の耐久性も低下します。

コーキングに肉やせや剥離を見つけたら、早めに補修を行うことをおすすめします。補修は、専門の業者に依頼するのが安心です。



3.コーキング補修の方法と価格について


(1)コーキングの打ち替えにかかる費用相場


「コーキングの打ち替え」は、既存のコーキングを一度すべて撤去して、そこに新たなコーキング材を充填するという方法です。なお、コーキングの補修については、基本的にm単位で計算される場合が多く、施工場所が長くなるほど費用が増していきます。

コーキングの打ち替えに必要になる費用相場は以下のような感じです。

 ① 既存コーキングの撤去工事

 ② 新たに施工するコーキング費用

一般的な2階建て住宅のコーキング打ち替え工事の場合、「20万円前後」がコーキング施工の費用相場となります。なお、実際の見積りには、この価格に既存コーキングの撤去費用と仮設足場費用「20万円前後」が加算されますので、全体の費用は40万円前後になると考えておきましょう。


(2)コーキングの増し打ちにかかる費用相場


コーキングの『増し打ち』は、既存コーキングの撤去は行わないまま、上から新しいコーキングを充填する方法だという点です。上述したように、コーキングは、経年劣化によって痩せていきますので、その痩せた部分を補強するといった補修方法をイメージしていただければ分かりやすいです。

コーキングの補修を増し打ちで対応する場合のメリットは、撤去工事が不要になる、既存コーキングの上に充填するため、打ち替えよりも使用するコーキングの量が少なくなるなどと言った理由で、全体の施工費が安くなる点です。

打ち替えと同じく、2階建ての一軒家のコーキング補修を増し打ちで対応した場合の費用は、「15万円前後」となります。なお、撤去費用は掛かりませんが、足場代はかかるので、全体の工事費用は35万円前後となります。


4.まとめ


(1)コーキングの「打ち替え」


打ち替えによる補修の場合、古くなったコーキング材を全て撤去し、完全に新しくすることができるため、工事費は高くなるものの、外壁の目地をしっかりと埋めて防水性や柔軟性を確保することができます。また、打ち替え後のコーキングは通常7~10年程度の耐用年数が期待できますし、劣化しにくい気候条件などの場合は12年前後も持たせることが可能です。


(2)コーキングの「増し打ち」


増し打ちは、既存コーキングの上から新しいコーキングを打つという方法ですので、強度を失ってひび割れしたコーキングを完全に補修できるわけではありません。また、目視では確認できないような場所が想像以上に劣化している可能性も考えられ、中途半端なメンテナンスになる点は大きな欠点です。さらに、新しく施工するコーキングは既存のコーキング材と馴染むわけではないため、増し打ちした部分は徐々に剥がれて行ってしまいます。一般的には、増し打ちの場合のコーキングは、3~5年程度しか持たないと言われていますので、施工費が多少抑えられても中長期的に見ると住宅のメンテナンスコストが高くなります。


上記のように、コーキングの増し打ちは、既存コーキングの痩せた部分に応急処置的に新しいコーキングを打つ方法です。そのため、状態の良いコーキング部分は非常に薄くなってしまうため、打ち替えと比較すると劣化も早くなってしまいます。増し打ちの場合は、費用をかけてメンテナンスをしても、数年で次のコーキングのメンテナンスが必要になるため、「近々外壁材を丸々やり帰る予定…」など、特殊な状況でなければあまりおすすめできません。


 
 
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